葬儀の宗派を決める

日本の風習の妙

トップページでも紹介したように、日本において葬儀は殆どの場合「仏教式」で行われます。
お墓もお寺などの仏教式のものを用意していることが多く、葬儀もそれに倣うという形を取っている事が多いでしょう。

ただ、だからといって皆が敬虔な仏教徒かというと、必ずしもそうではないのが日本の風習の妙でもあります。
そのため、故人や自分の家における宗教をしっかり理解しておらず、葬儀の際に困ってしまうことも多いのではないでしょうか。

特別な事情がない限りは仏教式で行うことになりますが、その際にももう一つ注意しなければならないこととして「宗派」があります。

仏教と一口に言っても、細い点において内容が違っている宗派が多く存在しており、それによって葬儀の内容や埋葬の方法、ルールなどが違う場合があるためです。

日本の仏教では代表的な宗派として浄土真宗や浄土宗、真言宗、天台宗、曹洞宗、日蓮宗、臨済宗などが挙げられます。
この中では浄土真宗が最も多く、ついで浄土宗、真言大谷派と続きます。

仏教の教えがそれほど重視されなくなった日本においても仏教式の葬儀が一般的に行われているのは、檀家制度というものがあるためです。

檀家は宗派が違っていると問題があるとする場合もあり、葬儀の宗派を違えると問題が発生することがあります。
例えばその問題の一つであるのが「納骨」の問題です。

私達はすでに仏教の宗派をそれほど気にしなくなってきているものの、お墓を持っているお寺はそうではありません。
お寺にはお寺の事情があり、それによって納骨が行えなくなってしまうケースがあります。

墓

例えば故人の宗派と代々の家の宗派が違っている場合、故人の宗派で葬儀を行うと先祖代々の墓に納骨できなくなってしまう可能性があるということです。

こういった点についての厳しさは宗派によって違っているため、この点も事前に葬儀社などに確認を取り、後になって問題が発覚しないようにしましょう。

宗派別に見る葬儀

葬儀の内容は、仏教式であれば宗派によって大きく変わることはありません。
基本的な流れ自体は同じものとして考えても構わないでしょう。

ただし、細部においては違っている場合もあり、その点については注意が必要です。
全宗派の違いを述べるのは難しいため、ここでは代表的な宗派いくつかを挙げその葬儀の内容の特徴について紹介します。

まずは、最も数が多い浄土真宗の場合です。
実はこの浄土真宗がほかの宗派と比べた時に最も葬儀に対する立場の違う宗派であるといえます。

浄土真宗は「他力」の考え方を持っており、葬儀において「故人のために供養を行う必要はない」という立場を取っています。

そもそも亡くなった人は特に家族やお坊さんが何かをしなくとも、なくなった時点で成仏している、という考えかたです。

そのため、浄土真宗の場合には死に装束や清め塩などを行う必要もありません。
さらに、冥福を祈る必要すらないというのが浄土真宗の特別な立場です

焼香にもその形式は現れており、額の前に持って行って祈りを込める「押しいただく」ことはしないことになっています。
右の抹香をつまみ、そのまま直接左の香炉に運ぶ形式となります。

この回数は本願寺派の場合には一回で、大谷派の場合には二回となります。

もう一つ、真言宗の葬儀についても紹介します。
真言宗は元々密教であったという歴史を持っており、他の仏教とは違って大日如来を崇拝の対象としています。
葬儀も故人を大日如来の元に送るための儀式という立場をとっています。

臨終、通夜の際には枕経を唱える風習があり、死に装束や経帷子なども使用します。
さらに、葬儀においても幾つかの儀式がありますが、これらは遺族側が行うべきことではなく、お坊さんの方が行ってくれるため特に違いはありません。

引導が終わったら、故人の生前についての功績をたたえながらお今日を唱え、その間に焼香を行うことになります。
そして最後に三度指を鳴らすことで成仏は終わり、出棺が行われます。